「中将姫と當麻曼荼羅―祈りが紡ぐ物語」奈良国立博物館で蓮の糸のコースターを織る、ワークショップをしました!

2022.08.13

今から1300年も昔の話。貴族の娘として奈良に生まれた中将姫は幾多の苦難を味わった末に、仏さまにお仕えすることなり、写経に励みます。ある日、阿弥陀如来と観音菩薩の化身が現れ、中将姫が引き出した蓮の糸で一晩にしして「當麻曼荼羅」を織りあげて、中将姫に極楽の姿を示したと言われています。當麻曼荼羅は、蓮の糸ではなく絹糸の綴織によって織られていることが、後に確認されていますが、その後途切れることなく中将姫信仰は広がり、たくさんの絵画による當麻曼荼羅が制作されています。今回の特別展は江戸時代貞享年間に作られた「貞享本當麻曼荼羅」の修理完成記念特別展です。特別展会場に北九州の広寿山福聚寺所蔵の「藕糸織阿弥陀三尊来迎図」「藕糸織霊山浄土図」「藕糸織阿弥陀聖衆来迎図」の3幅が展示されています。この3つは17世紀に小倉藩主小笠原忠真の側室永貞院が忠真の菩提を弔うために織らせたものだと言われていますが、日本で確認されている最古の藕糸織物です。 ************************************* 一昨年より、3幅の藕糸織軸の糸や織の科学的調査研究をしている北九州市立自然史・歴史博物館に協力して、蓮の葉柄から糸を引いたり、試織を繰り返してきました。 ミャンマーなど東南アジアの国では、仏教に関わる人々の袈裟などとして馴染みのある藕糸(ぐうし)による織物ですが、日本では蓮から糸が取れること自体、あまり広くは知られていないと思います。今回は、唐招提寺様のご協力で蓮の茎を提供していただき、茎から糸を引き出す体験をしました。また、あらかじめミャンマーから購入していた藕糸を使って、コースターを織る体験をしていただきました。*蓮の茎に切り目を入れて、ポキッと折り、両方に引っ張ると、細い細い繊維が無数に出てきます。台の上で、出てきた繊維を手で擦るようにしてくっつけていくと、次第に長い糸となります。とても、不思議な感覚で、参加された皆様にも感激していただけたようです。*コースターは経糸に麻を使いました。いつもは小倉織真田紐作りに活躍する「mini小倉」の織機が、今回は藕糸織コースターで活躍しました。*緯糸はミャンマー産の藕糸を織り込みました。ご自分のデザインで小倉織の紡ぎ糸を挟んでいただき、色どりを添えました。*見かけは麻に近いのですが、どこか柔らかく独特の蓮の糸の感触を感じていただけたでしょうか。午前、午後合わせて21名のみなさまにご参加いたきました。*夢中で織っておられる姿を拝見して、準備した私たちも嬉しい気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。 ************************************* 鹿たちも木陰でひっそりと涼んでいる暑い奈良で、當麻曼荼羅鑑賞、藕糸織ワークショップ、専門家の方からの織についてのアドバイスをいただく、などなど盛りだくさんの実りの多い時を過ごさせて頂きました。(kei)
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