活動報告

豊前小倉織研究会は、①小倉織の調査と研究 ②小倉織の制作 ③小倉織を広く伝える、の3つを柱にして活動しています。

新道寺小学校授業2024「糸車をまわしてみよう!」

2024.11.22

11月22日(金)新道寺小学校一年生15名に「糸車をまわしてみよう」の授業を行いました。 今回は、日頃研究会で使用している和綿を育てて下さっている方が、その日の朝に畑から実のなった状態の綿を引き抜いて提供してくださいました。まるで、教室に綿の畑が表われたようでした。

1つの枝にたくさんのふわふわの実がついたワタの木を初めて見た子供達は大興奮! たくさん触って、ワタの実を枝から外し、ワタの中にある種の感触などを確かめてもらいました。

その後、種付きワタを使って綿繰り、弓打ち、じんき作りを体験してもらいました。特にワタと種が簡単に離れる綿繰りには子供たちだけでなく先生からも驚きの声が(笑)

一本の帯(約500g)を織るにはどのくらいのワタが必要かを当てるクイズでは、計りの上に山のように積まれたワタを見て子供たちは目を丸くしていました。

糸車での紡ぎの体験はみんなとっても上手!! 小さな手で糸車をゆっくり回しながら糸ができていきます。 目をつぶってたぬきになったつもりで糸車の回る音を聞いてもらいました。教科書に「きーからから、きーころころ」と書かれている糸車の音は子供たちにはどのように聞こえたでしょう。 小学一年生の理解力、手先の器用さは、私の想像力を遥かに超えていました。

何にでも興味を持って好奇心旺盛な小学生パワーを感じた一日でした。

先日写真入りのお手紙を皆さんからいただきました。「あの帯を織ってみたいです」「糸つむぎが楽しかった」「わたの種を取るのが面白かった」とたくさんの感想を頂きました。 私達もとても楽しかったです。 ありがとうございました!(T子)

市丸小学校授業2024「小倉織を学ぼう」第2回

2024.11.15

令和6年度は市丸小学校で5年生の皆さんに小倉織についての3回の授業をさせていただきました。 1回目はいのちのたび博物館の上野晶子学芸員が講師となって、小倉織の歴史と小倉織のコースターを織るための縞のデザインをしました。 11月15日(金)に研究会が2回目の授業を行いました。前回の授業で小倉織の歴史について学んだ子ども達、今回は綿から糸ができるまでの工程にチャレンジしました。

クラスのみんなで和綿を種から育てて収穫し、太鼓のバチ2本で作った綿の種取り道具を使って事前に種を外してくれていました。子供たちが考えたこの道具は2本のバチをしっかり括り付けてそれぞれを反対方向に回し、その隙間に送り込んだ綿の実から種を外すという優れものです。 子供たちから種取りの苦労話を聞いた後、工房から持って行った昔の人が考えた綿繰り機で種取りの実演をすると、「すごい!」「これ欲しい!」と歓声が上がりました。苦労して種取りをしたからこそわかる道具の便利さです。

綿繰り機で種を外した綿を弓で打ってふわふわにし、糸を紡ぐための「じんき」という綿の筒を作るまでの工程を学んだ後は、早速実習開始です。 綿をふわふわにする工程は弓ではなくカーダーという道具を使います。種取り綿をカーダーに乗せて何度も繰り返し繊維を整えていくときれいな綿ができます。最初は綿と道具の扱い方に苦戦していましたが、すぐにコツをつかんで上手になり、出来上がったきれいなふわふわの綿を丁寧に巻いてじんきをたくさん作りました。

じんきが出来たら、ついに糸車を使い糸を紡いでいきます。まずは実演。大和先生が魔法のように紡ぎ出す動作に、子ども達の眼差しは、まばたきをしないほど真剣でした。私達もドキドキ。

じんきを持って糸車の車輪を回すと、じんきにヨリがかかり1本の糸になっていきます。戸惑いながらも「楽しい!」の気持ちで一所懸命に紡ぐ子ども達の姿に、初心を思い出しながら指導にあたりました。

紡ぎつつ、じんきも作り、短い時間ながらも良い糸をたくさん紡げました。 次回は織りに入ります。紡いだ糸が、1段1段重なったらどんな表情の布が出来るかな? 楽しみです。(わた子&こめ)

「小倉織2024」小倉織再生40周年記念展を小倉 縞縞 本店にて開催中!

2024.11.03

一度は姿を消した小倉織が再生されて40年になります。

豊前小倉織研究会も所属している「小倉織協同組合」が、小倉織の今を紹介する記念展を小倉 縞縞 本店にて 開催中です。

小倉織作家の作品の展示や販売を行っており、研究会メンバーの作品の展示や小物などの販売も行なっています。

機械織りと手織りの違い、紡績糸と手紡ぎ糸の違い。それぞれの良さがあります。

個性溢れる作風の違いもあり、みんな違ってみんないい!

小倉織の様々な表情を是非ご覧ください。

展示は、3/10まで。(mi)

「ふくおか県芸術文化祭オープニングフェス」

2024.10.06

10月5日(土)・6日(日)
アクロス福岡で開催されたふくおか県芸術文化祭オープニングフェスで、小倉織の作品販売と小倉織真田紐を織るワークショップを行いました。天然染料で染めた糸を使って小さな織り機「mini小倉」で真田紐を織り上げました。
予約の方、飛び入りの方が次々に参加してくださり、皆さん おもしろい!楽しい!まだ織りたい!ととても楽しみながら、真田紐を一段一段丁寧に織り進めていらっしゃいました。自分で織り上げた真田紐がキーホルダーに仕上がると歓声を上げて喜ばれる学生さんも。親子で参加も何組かあり、体験をしているお子さんを通して、ご両親も手と口を挟みながら(笑)、楽しい様子でした。コミュニケーションのツールとして、「mini小倉」が役立てた事も嬉しい収穫になりました。同じ会場でのコンサートや催し、他ブースでの体験や実演も興味深いものばかりで、福岡県の魅力が全開な時間でした!(こめ・わた子)

北九州市民カレッジ「小倉織を学び織ってみよう」最終回

2024.07.19

7月19日(金)は市民カレッジ講座の最終日。
今日は「小倉織を未来につなぐ」と題して、研究会の活動紹介をテーマした大和先生の講義からスタートしました。
小倉織について現在分かっている調査報告や普及活動、日々の創作活動について説明があり、皆さん熱心に受講されていました。
最後はミニ小倉で織った真田紐の発表会です。
出来上がった作品について、
貴重な体験ができた、難しさも楽しかった、また織ってみたい、デザインするのがワクワクしました!
などとても嬉しいお言葉を聞くことができました。
ありがとうございました。
伝承会では小倉城庭園、室町コモンでワークショップを行っています。小倉織の体験もできますよ。興味のある方はぜひ!詳しいご案内は伝承会ページをご覧ください。(ひ)

北九州市民カレッジ「小倉織を学び織ってみよう!」第4回

2024.07.05

7月5日(金)市民カレッジ4回目の講座が開かれました。

4回目ではまず、糸を縞のデザインに沿って並べていく整経(せいけい)という作業をしました。次に順番通りに並んだ糸をmini小倉という小さな織機の穴に通して、いよいよ織りに入ります。

細かい作業が続きますが、自分のデザインした縞のとおりに並べた糸が布になっていくのを見ることが出来るワクワクする瞬間でもあります。

この講座で織るのは真田紐なので、よこの糸を→右方向と←左方向に引き10㎝位の幅に通した糸を通した幅より狭い1.3㎝ほどの幅の紐に織りあげます。腰と机の間に貼った糸が機となり、自分の体で調節しながらの作業は大変難しいのですが、みなさん大変な集中力で黙々と織っておられました。

講座の時間中には織りあげる事が出来ないために、残りは持ち帰って家で織ってくるという宿題になりました。

次回はいよいよ最終回で皆様の前で織り上がった真田紐を披露することになります。(Kei)

2024年度北九州市民カレッジ 「小倉織を学び、織ってみよう!」第3回

2024.06.28

6月28日(金)市民カレッジ小倉織講座の第3回が開催されました。今回は自分が織る真田紐をデザインします。

まずは染色糸データの作成です。受講生の方々の机には、前回染めた7色と、研究会で染めたコチニールや茶色等を加えた合計13色の色糸が置かれています。染料名、媒染剤名が書かれた台紙に蝶結びにした色糸を貼り付けます。こうすることで、デザインのイメージがし易くなります。

次はいよいよデザインです。大和代表から実際の真田紐を見ながら、デザインする上でのヒントやコツなどのアドバイスを受けます。小倉織の特徴である縦縞が糸の並べ方でどう変わるのか、想像力が大切です。皆さん思い思いに色鉛筆を走らせ、イメージを膨らませていきます。何種類もパターンを描く方、ゆっくり熟考される方などなど。

合間に織りや紡ぎの体験を行い、展示された研究会の織った布見本なども参考にされ、自分のデザインを仕上げていきました。

次回はいよいよmini小倉(織り機)を使って真田紐を織ります。

楽しい織り時間となりますように。(T子)

2024年度北九州市民カレッジ「小倉織を学び、織ってみよう」第2回

2024.06.07

6月7日(金)市民カレッジ小倉織講座の第2回が開催されました。前半の講義では、実際に絹・麻・ウール・綿に触れて素材の特徴を学び、続いて植物染めの仕組みと染料になる植物について学びました。

後半の実習は、7グループ(藍の濃中淡3色、茜の濃淡2色、タマネギは黄と緑の2色)に分かれて糸染め作業です。全色の染めを見学できるように、時間差で作業を行ないました。今年は植物染めに興味を持たれた方が多く、家で染める場合のやり方等、たくさんの質問を受けたことが印象的でした。

無事全色時間内に作業を終える事ができ、とてもキレイに染め上がりました。ご自分達で染めた糸の写真を撮られている様子を拝見し、大変嬉しく安心致しました。次回は、今回の糸を使って糸データ作成と真田紐のデザインをします。
受講生の皆様のご参加をお持ち致しております。(Y子)

2024年度北九州市民カレッジ 「小倉織を学び、織ってみよう!」第1回

2024.05.24

5月24日(金)に、いのちのたび博物館にて
2024年度 北九州市民カレッジ 
「小倉織を学び、織ってみよう!」が
始まりました。

毎年たくさんのご応募をいただき
抽選で選ばれた20名の受講生の皆さんと
全5回にわたって小倉織について
学んでいきます。

第1回は
前半は、小倉織の歴史を学び、
後半は、実際に綿繰りをしたり、
糸紡ぎや高機を使っての機織りなどを体験。

特に、糸車を使って綿から糸を
紡ぐのに皆さん苦戦されていましたが
最後は、みなさん楽しそうにされていました。
(mi)

新道寺小学校授業「糸車をまわしてみよう!」

2024.01.30

1月30日(火)新道寺小学校の1年生14名に「糸車をまわしてみよう!」の授業を行いました。今回は校長先生から国語の時間に勉強する昔話「たぬきの糸車」の理解を少しでも深めるために1年生に糸車体験をさせたいというご相談でした。「わぁ、糸車だぁ~」子供たちが入ってくるなり、元気な声が教室中に響き渡りました。体験用に用意していた3台の糸車は、子供たちを驚かそうと予め布で覆っていたのですが、早々に見破られ私たちは苦笑しました。小学校1年生に糸紡ぎがどれくらいできるのだろう?こちらの話をどのくらい理解できるのだろう??と心配していましたが、蓋を開けてみると子供たちの力は私たちの想像を遥かに越えるものでした。まず、糸車の観察から始まり、大和代表の「どんな形?糸はどこで作る?糸車の大きな輪をを1回転させる間に先端のツム先は何回回る?」などの問いかけに大きな声で代わるがわる答える子供たち。ワタから布ができるまでのお話では帯を1本作るのに使うワタの量に驚き大きな歓声が上がりました。3つのグループに分かれて行った糸紡ぎ体験では、小さな手で糸車を一生懸命回している姿はやっぱり可愛い1年生。と思ったらワタを引く手元はとても素直で、上手に糸を紡ぎ出したのには、正直びっくりしました!体験の順番を待つ間、ワタを頭やおでこに乗せたり、両手に持って頬ずりしたりと思い思いにワタの感触を楽しんでいる姿はとても微笑ましかったです。また、実際に糸車を回しながら「この音はどんな風に聞こえるかな?(ブーンブーンという音)」の問いにほぼ全員が「バイクの音~!」これには大人は大爆笑。大きな歓声と笑顔があふれた素敵な一日でした!! *************************************先日1年生の皆さんから寄せ書きのお手紙が届きました。「糸車が楽しかった!」「ワタで糸ができていたなんて知らなかった!」「(紡ぐことを)ずっとやるなんてすごいです!」など、私たちの思いが伝わっていると感じられ、とてもうれしかったです。ありがとうございました。お返事書かなきゃ、ですね。(T子)
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