活動報告

豊前小倉織研究会は、①小倉織の調査と研究 ②小倉織の制作 ③小倉織を広く伝える、の3つを柱にして活動しています。

2024年度北九州市民カレッジ 「小倉織を学び、織ってみよう!」第3回

2024.06.28

6月28日(金)市民カレッジ小倉織講座の第3回が開催されました。今回は自分が織る真田紐をデザインします。

まずは染色糸データの作成です。受講生の方々の机には、前回染めた7色と、研究会で染めたコチニールや茶色等を加えた合計13色の色糸が置かれています。染料名、媒染剤名が書かれた台紙に蝶結びにした色糸を貼り付けます。こうすることで、デザインのイメージがし易くなります。

次はいよいよデザインです。大和代表から実際の真田紐を見ながら、デザインする上でのヒントやコツなどのアドバイスを受けます。小倉織の特徴である縦縞が糸の並べ方でどう変わるのか、想像力が大切です。皆さん思い思いに色鉛筆を走らせ、イメージを膨らませていきます。何種類もパターンを描く方、ゆっくり熟考される方などなど。

合間に織りや紡ぎの体験を行い、展示された研究会の織った布見本なども参考にされ、自分のデザインを仕上げていきました。

次回はいよいよmini小倉(織り機)を使って真田紐を織ります。

楽しい織り時間となりますように。(T子)

2024年度北九州市民カレッジ「小倉織を学び、織ってみよう」第2回

2024.06.07

6月7日(金)市民カレッジ小倉織講座の第2回が開催されました。前半の講義では、実際に絹・麻・ウール・綿に触れて素材の特徴を学び、続いて植物染めの仕組みと染料になる植物について学びました。

後半の実習は、7グループ(藍の濃中淡3色、茜の濃淡2色、タマネギは黄と緑の2色)に分かれて糸染め作業です。全色の染めを見学できるように、時間差で作業を行ないました。今年は植物染めに興味を持たれた方が多く、家で染める場合のやり方等、たくさんの質問を受けたことが印象的でした。

無事全色時間内に作業を終える事ができ、とてもキレイに染め上がりました。ご自分達で染めた糸の写真を撮られている様子を拝見し、大変嬉しく安心致しました。次回は、今回の糸を使って糸データ作成と真田紐のデザインをします。
受講生の皆様のご参加をお持ち致しております。(Y子)

2024年度北九州市民カレッジ 「小倉織を学び、織ってみよう!」第1回

2024.05.24

5月24日(金)に、いのちのたび博物館にて
2024年度 北九州市民カレッジ 
「小倉織を学び、織ってみよう!」が
始まりました。

毎年たくさんのご応募をいただき
抽選で選ばれた20名の受講生の皆さんと
全5回にわたって小倉織について
学んでいきます。

第1回は
前半は、小倉織の歴史を学び、
後半は、実際に綿繰りをしたり、
糸紡ぎや高機を使っての機織りなどを体験。

特に、糸車を使って綿から糸を
紡ぐのに皆さん苦戦されていましたが
最後は、みなさん楽しそうにされていました。
(mi)

新道寺小学校授業「糸車をまわしてみよう!」

2024.01.30

1月30日(火)新道寺小学校の1年生14名に「糸車をまわしてみよう!」の授業を行いました。今回は校長先生から国語の時間に勉強する昔話「たぬきの糸車」の理解を少しでも深めるために1年生に糸車体験をさせたいというご相談でした。「わぁ、糸車だぁ~」子供たちが入ってくるなり、元気な声が教室中に響き渡りました。体験用に用意していた3台の糸車は、子供たちを驚かそうと予め布で覆っていたのですが、早々に見破られ私たちは苦笑しました。小学校1年生に糸紡ぎがどれくらいできるのだろう?こちらの話をどのくらい理解できるのだろう??と心配していましたが、蓋を開けてみると子供たちの力は私たちの想像を遥かに越えるものでした。まず、糸車の観察から始まり、大和代表の「どんな形?糸はどこで作る?糸車の大きな輪をを1回転させる間に先端のツム先は何回回る?」などの問いかけに大きな声で代わるがわる答える子供たち。ワタから布ができるまでのお話では帯を1本作るのに使うワタの量に驚き大きな歓声が上がりました。3つのグループに分かれて行った糸紡ぎ体験では、小さな手で糸車を一生懸命回している姿はやっぱり可愛い1年生。と思ったらワタを引く手元はとても素直で、上手に糸を紡ぎ出したのには、正直びっくりしました!体験の順番を待つ間、ワタを頭やおでこに乗せたり、両手に持って頬ずりしたりと思い思いにワタの感触を楽しんでいる姿はとても微笑ましかったです。また、実際に糸車を回しながら「この音はどんな風に聞こえるかな?(ブーンブーンという音)」の問いにほぼ全員が「バイクの音~!」これには大人は大爆笑。大きな歓声と笑顔があふれた素敵な一日でした!! *************************************先日1年生の皆さんから寄せ書きのお手紙が届きました。「糸車が楽しかった!」「ワタで糸ができていたなんて知らなかった!」「(紡ぐことを)ずっとやるなんてすごいです!」など、私たちの思いが伝わっていると感じられ、とてもうれしかったです。ありがとうございました。お返事書かなきゃ、ですね。(T子)

市丸小学校授業2023「小倉織を学ぼう」最終日

2023.12.30


11月30日、市丸小学校での授業も最終日をむかえました。
前回デザインした縞模様が機にかかり、子どもたちは経糸を嬉しそうに眺めています。

今日のテーマは高機で織る、です。大和先生からの説明後、前回同様グループに分かれて織り始めます。

最初は手と足がちぐはぐな様子でしたが、1人5分の持ち時間を2度、3度交代して織っていくうちに打ち込みも糸渡しもあっという間に覚えた子どもたちでした。

出来上がったコースターを手にした子どもたちの様子を担任の杉田先生よりお伺いしました。自分たちが育てたわたから小倉織ができて驚いたこと、小倉織のすごさをたくさんの人に伝えたいなどの感想を持っていたそうです。後日工房に子どもたちからお礼の手紙が届きました。

杉田先生がおっしゃっていたように印象的だったのは小倉織を広めたい、広めてほしい、たくさんの方に知ってほしいと書かれていたことです。私たちの研究会活動の柱でもある、小倉織を広く伝える、ということがこの感想文を拝見して、しっかりと伝わっていることをとても嬉しく思いました。(ひ)

 

市丸小学校授業2023「小倉織を学ぼう!」2日目

2023.10.30

10月30日。市丸小学校にて、第2回「小倉織を学ぼう」の授業を行いました。まずは、糸の藍染めから。前回、子どもたちが紡いだ糸に、私たちがお手伝いして紡ぎ足した 手紡ぎ糸を藍色に染めていきます。

青茶黒い液体の中に、糸を入れる子どもたち。緑がかったなんとも言えない色になった糸。それを液体から出して、空気に触れさせると段々と青系の色に変化していく様をみて、びっくり! 大歓声が。その工程を何度か繰り返し、しっかりと綺麗な濃い藍色に染めていきました。

次は、縞のデザイン。まずはデザインのお勉強で、黒板に出ていろいろな色のシートを並べて試しに縞柄を作る練習です。最初は難しそうにしていましたが、最後は全員が上手にデザインできるように。今回は、1人1人がデザインした縞模様を、5人1チームになって5人分の縞を横に並べて1枚のコースターをデザインしていきます。もう、すっかり慣れたもので、元気いっぱいの個性的なデザインがあがってきました。このデザインをもとに、機に糸をかけて、みんなで世界でたった1枚の!オリジナルコースターを織っていきます。さぁ、どんなふうに仕上がるのか。私たちも、とっても楽しみです♪(mi)

市丸小学校授業2023「小倉織を学ぼう!」

2023.10.11

昨年に引き続き、市丸小学校5年生10名に小倉織の授業をすることになり、第1回目の授業が10月11日の3・4時間目に行われました。始めに小倉織の歴史についてお話を聞いた後、自分達で育て収穫した綿で糸を紡ぐ為の綿筒(じんき)を作りました。

まず、綿の実から種を取らなければなりません。手で種を取ることは難しいので、綿繰り機という道具を使います。

なんと、子どもたちはこの綿繰り機を手作りしていました。箱型の木の椅子に太鼓を打つ時のバチを2本結束バンドで括り付けたものを渡したシンプルな作りですが、子どもたちが器用に2本の棒を回すと、上手に種が取れるのです。これには私達もびっくり。子どもたちそれぞれにお気に入りの棒があるようで、どれだけ頑張って種取り作業をしてくれたかが伝わり、感動しました。

さて、ここからが今日の作業。綿繰りされた綿は、フワフワではありません。今回はカード機(ハンドカーダー)という金属の針が付いた大きなブラシの様な道具を2本使って綿の繊維を整え、綿をフワフワにしました。初めは恐る恐るカード機を握っていた子どもたちは、上手に出来たお友達に教えてもらいながら、キレイに整った綿をカード機からふわりとはずすのが上手くなっていきます。その綿を箸の様な棒でクルクル巻いて、綿筒の出来上がりです。自分が作った綿筒を使って、いよいよ糸車で糸を紡ぎます。糸車は教室に5台準備。1台に2人ずつ、交替で紡ぎます。初めての糸車にみんな興味津々。左右の手の動きが異なる上に、前に回したり後ろに回したりと慣れない動作に初めは戸惑っていましたが、次第に自分で出来るように。糸を切らずに長く紡げるよう、何度も挑戦していました。紡ぐ時間が足りなくて、充分に教えられたか、楽しく作業してもらえたか心配でしたが、授業終わりに私が担当した2人共が、手を上げて感想を言ってくれたので、安心しました。細い糸が紡げたのが嬉しかったようです。

次回は、今日紡いだ糸を藍染めし、自分達で織る布の縞をデザインします。どんなデザインになるのか、楽しみです。〈Y子〉

松ヶ枝北小学校授業 「小倉織を学ぼう」

2023.09.13

9月13日(水)松ヶ枝北小学校の6年生11名を対象に「小倉織を学ぼう」の授業を行いました。
最初に、日本で昔から使用されてきた繊維と布について知ってもらい、班ごとに麻・絹・ウール・木綿の原材料と布の実物を触って、どれが何の素材なのか考えてもらいました。手触りを比べたり、繭をカラカラ振ったりして、どの班も全員で活発に意見を出し合って答えを見つけました。
次は、小倉織に使われている和綿をワタから糸に紡ぐまでの工程を体験しました。綿繰り機で綿の実を種とワタに分離させ、そのワタを弓で打ってふわふわにして筒状に丸めて綿筒(じんき)を作り、じんきを糸車で糸に紡いでいく・・・。やはり一番大変だったのは糸紡ぎで、にこにこ綿繰り機を回していた皆さんも、糸車の前では真剣な表情になっていました。

体験の後は、小倉織の歴史について学びました。6年生はちょうど江戸時代の歴史を勉強したばかりで、小倉織の歴史の話の中に徳川家康や千利休などの人物が出てくると「知ってる!」という声がたくさん上がりました。
それから、小倉織にはどんな特徴があるか、実際に小倉織と日本手ぬぐいの織り目などの違いをルーペで覗いて考えました。熱心にルーペを覗き込んで観察し、それぞれが発見したことを積極的に発表してくれました。
授業の終わりにも、「小倉織のことをぜんぜん知らなかったけれど、小倉織が丈夫で強いことがわかった。」「北九州で昔から小倉織が作られていて良かった。誇りに思える。」「自分で綿を種から育てたい。」などの嬉しい意見を発表してくれました。また、「小倉織で作ったらいいと思うものは?」という質問に、「月に1度は靴下が破れるので丈夫な小倉織の靴下がほしい。」「明日草抜きがあるので丈夫な手袋がほしい。」などの楽しいアイデアをたくさん聞かせてくれました。6年生の皆さんの素直で元気な明るさに、先生方も、私たちも全員笑顔でとても楽しい授業となりました。ありがとうございます。(こめ)

北九州市民カレッジ「小倉織を学び、織ってみよう!」 5回講座終了

2023.07.21

北九州市民カレッジ「小倉織5回連続講座」を初めて早いもので今年で9年目になりました。単発の小倉織講座は何度か実施してきたのですが、歴史を学び、小倉織の特徴を知り、ワタがどのように糸になるかを体験し、糸を染めて、実際に織るという一連の学習は市民カレッジが初めての試みでした。★毎回たくさんの申し込みをいただき嬉しい限りですが、実技を多く含むために20人という人数制限があり、「何年も待ってやっと講座を受けることができました」という方がおられることは申し訳なく思っています。★受講生の皆さんが、回を重ねるごとに次第に打ち解けて和気藹々のいい雰囲気になっていくのは毎年変わらない風景です。9年間のうちに小倉織の歴史などで新しく分かってきたこともあり、新しい資料も見つかりました。研究会の中にもいろいろな変化がありました。私たちも、市民カレッジとともに成長しています。★また、市民カレッジを受講された方たちの活動はそれだけで終わらずに、2017年には卒業生メンバーによる小倉織伝承会が誕生しました。伝承会はいまでは白い糸を染めて、袴を織ることができるまでの技術を身に付けて、小倉城庭園と室町コモンでの伝承活動を日々頑張っています。(Kei)

北九州市民カレッジ「小倉織を学び、織ってみよう!」第4回

2023.07.07

7月7日㈮ 市民カレッジ小倉織講座の第4回目が開催されました。前回の講座でデザインした真田紐の経糸並べる整経という作業から始まりました。2人1組となり、1人が整経を行い、1人が糸の順番と色を確認していきます。第4回目ということもあり協力し合いながら楽しく整経していく姿が見受けられました。その後「ミニ小倉」という簡易織機に整経した糸を通していきました。いよいよ、織のスタートです。ミニ小倉を上げ下げしながらよこ糸を通し、1段1段織っていきます。自分でデザインした真田紐の縞模様が4~5段織るとはっきりしてきます。どの真田紐も個性があって同じものが一つもありません。力加減によって紐の幅が細くなったり太くなったりしてしまうため、気を付けながら集中して織っていました。織る時間を少なくしか取れなかったため、持って帰る方、また最終回にも織る時間を取ってあったため、次回に織りあげる予定の方もいます。次は第5回目最終回。どのような真田紐が出来上がっているのでしょうか。とても楽しみです。(ゆう。)
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