活動報告

豊前小倉織研究会は、①小倉織の調査と研究 ②小倉織の制作 ③小倉織を広く伝える、の3つを柱にして活動しています。

第三回 市丸小学校小倉織授業(全3回)ー コースターを織る ー

2022.12.24

12月16日(金)北九州市立市丸小学校にて、3回目の総合学習授業を行いました。最終回のメインは、コースターを織る実習です。続いて、小倉織の強度実験を行いました。 子ども達の机の上には、研究会オリジナルの小さな腰機(mini小倉)をセットしました。経糸は、前回の授業で描いたデザイン表通り、織れる状態に準備済みです。緯糸は、子ども達の育てた綿を紡ぎ藍染めした糸(太目)と、研究会で紡ぎ足した糸(細目)が、それぞれシャトル代わりの”あばり”に巻かれた状態になっています。 腰紐を腰に結んで、織り始めます。綜絖と筬の役目をするmini小倉の板を恐る恐る上下させていたのも束の間、すぐにコツを掴んで1人で織れるように。緯糸の差替えもお手のものです。 緯糸の使い方には工夫がありました。自分達の紡いだ糸と研究会の紡いだ糸を交互に入れる人、前半後半に分ける人、自分達の糸を真ん中に持ってくる人。不足分の補充のつもりで用意した細目の糸でしたが、子ども達は各々デザインして計画的に、感性豊かに緯糸を使い分けていました。 私達の予想に反して、全員が時間いっぱいまで丁寧に真剣に織り、見事、素敵なオリジナルコースターが完成しました。 続いて、小倉織の強度実験です。 日本手ぬぐいと小倉織の布片を貼ったボードと、棒状の紙ヤスリを1人ずつに配布。それぞれの布をカウントしながらヤスリで擦り、何回で破れたかを発表します。ところが、最初に擦った日本手ぬぐいよりも、擦り慣れた2回目の小倉織が早く破れるというハプニングが発生。再度日本手ぬぐいを擦ると、あっという間に破れて、無事に小倉織の強さを証明することができました。 市丸小学校5年生の皆さん、小倉織の授業はいかがでしたか。この授業が皆さんにとって、楽しい思い出となりますように。そして将来再び、故郷の伝統工芸である小倉織に触れてみたい、と思って頂けたら嬉しく思います。 素晴らしい時間をありがとうございました。(Y子)

八幡中央高校 3回講座Ⅰ「育てた綿はどうなるの?」

2022.12.15

■第1回■ 12月15日(木)八幡中央高校の園芸部と物理部の生徒さん達と先生が小倉城庭園に来られました。3回講座のうちの第1回目はまず、綿が糸になるまでの過程と藍や天然染料による染色、小倉織の特徴・歴史などを、展示室で実物を見ながら学習しました。今回は、部活動で育てた綿の実を、事前に手回しの綿繰り機をお貸しして種取りをして持って来てもらいました。種を外した綿を「カーダー」という道具で櫛けずるようにして、ふわふわの綿にしてから、丸めて「じんき」という小さな綿の筒を作り、糸車で糸に紡いでいきました。日本古来の弓で綿を打ってふわふわにする方法も体験しました。カーダーや弓打ちにはまる生徒さん、糸紡ぎに苦戦する生徒さん、それぞれ真剣に取り組んで、上達した生徒さんが顧問の先生に教えているシーンも見られました。たくさんの手紡ぎ糸と手打ちの綿ができあがり、最後は綿だらけになった制服をコロコロローラーでお互いにきれいにして終了しました。あっという間のとても楽しい時間でした。(こめ)

小倉織~その技と美~ 小倉城庭園企画展

2022.11.26

本日11月26日(土)から来年1月29日(日)まで、小倉織協同組合の企画展「小倉織~その技と美~」が小倉城庭園で始まりました。展示会場には大きな小倉織のオブジェが設置され、私達研究会の手紡ぎの作品や築城則子氏を始め組合に参加する作家の作品が一堂に会し、それぞれの個性を感じていただけるコーナーとなっています。豊前小倉織伝承会の機(はた)も設置され、ご来館いただいた時に機織りをしている姿がご覧いただけるかもしれません。常設コーナーでは、100gのワタがどのような過程で糸になり、更にたくさんの糸を紡いで小倉織の帯になるかという制作過程を、綿繰り機や糸車などの道具類とともに見て頂けます。袴によく使われている染料で染めた糸サンプルと染料も展示しています。また、伝承会が復元した「いのちのたび博物館所蔵の25枚の袴」の生地で実際の1/4サイズの小さな袴を作って展示しています。絣の着物と合わせて着せたら、微笑ましい姿になりました。小倉織は城下の武士の子女たちの手で織られていたという記録がありますが、昔は小倉城庭園のあたりでも盛んに機音が響いていたことでしょう。このように小倉の歴史に所縁のある場所で、小倉織の展示が実現した事を大変嬉しく思っています。多彩な小倉織の世界を感じていただける企画展にぜひぜひお越しください。お待ちしております。 (T子)********令和4年9月2日付けで手織りによる「小倉織」が福岡県知事指定特産工芸品に指定されました。

朝日カルチャーセンター北九州 小倉織を実践第2回

2022.11.24

11月24日(木) 朝日カルチャーセンター北九州において 小倉織講座全3回のうちの第2回目が行われました。前半は小倉織の特徴や天然の繊維から出来る糸にはどんな種類があるのか、昔の人はどのような素材で織られた服を着ていたのか等、繭、真綿、苧麻・大麻の繊維などを実際に見ながら学んでいきました。そして後半は、いよいよ真田紐のデザインです。約1時間、今回真田紐を織るのに使う22色の草木染の糸を見ながらど、デザインシートに色を塗っていきます。ポップな縞、カッコいい縞、可愛い縞など、小倉織の特徴であるグラデーションを活かしながら考えるのも楽しみの一つです。そしてお一人お一人の思いのこもったデザインが出来上がりました。次回は、いよいよ織の実技です。ご自分のデザインからどんな真田紐か出来るのかとても楽しみです。

第二回市丸小学校小倉織授業-糸を染める-

2022.11.18

11月18日(金)北九州市立市丸小学校にて、第2回目の総合学習授業が行われました。前回10月14日(金)の授業で子供達が育てた綿が糸となり、その糸を今回、藍色に染める体験を行いました。初めての藍染!藍の液に糸を浸けてゆらゆらしながら色の変化を観察します。「あっ!緑になった」元気な声が飛び交います。2分間糸をゆらした後、絞って空気に触れさせると糸が藍色に変化していきました。「藍色になった!」と、ビックリした様子。素直な表情に微笑ましく感じました。藍染めが終わると、いよいよコースターのデザインです。大和先生が小倉織の特徴である縞の説明をした後、デザインシートに色えんぴつで縞をデザインしていきます。驚いたのは、子供たちのデザインを仕上げる早さです。あっという間に縞のデザインが終わりました。みんな、大和先生のお話をしっかり理解していて感心しました。予想外の早さに時間が余ったので質問コーナーがスタート。赤は何で染めますか?「あかねー!」。ピンクはサボテンにつくカイガラムシで染めますが食品にもよく使われています、何に使われていると思いますか?ここは先生が「かまぼこ!」と答えて、子供たちは「へ~ぇ」と。等々みんなの好奇心が授業を盛り上げてくれました。さて、しっかり藍色に_染まった糸は、次回コースターを織るよこ糸となって織りこまれていきます。世界に一つだけのコースター。どんなコースターが出来るのでしょう。とても楽しみです。(ゆう。)

市丸小学校-番外編-

2022.11.01

市丸小学校で総合学習のお手伝いをしています。自分たちが種を撒いて育てた綿から糸を作り、糸を染めて小倉織を織るという楽しい学習に私たちもワクワクしています。10月14日(金)に小学校で、収穫した綿をカードして、糸車で紡いで糸にしました。工房に持って帰り、糸を綛に巻きとり、精練をしました。精練とは、糸を洗剤で煮て、汚れやロウ分を除き、糸が染まりやすくする作業です。工房では、こともたちが初めて紡いだ表情豊かな糸が竿にぶら下がっています。いよいよ次の授業で紡いだ糸を藍染めします。お楽しみに。(kei)

朝日カルチャーセンター北九州 小倉織を実践 第1回

2022.10.27

10月27日(木)13時〜15時まで朝日カルチャーセンター北九州で全3回の講座の第1回目を行いました。3回の講座を通してワタが糸となり布となる過程を学び、草木染めの糸でマイデザインの真田紐を織ります。これまでも小学校や市民センター、工房見学や市民カレッジなど様々なワークショップや講座を行ってきましたが、カルチャーセンターでの講座は今回が初めてです。少し緊張しましたが、場所は変わってもお伝えすることはいつも通り変わりません。受講者は8名。第1回目は前半で小倉織の歴史や特徴、制作の過程などを冊子を見ながら学び、後半は糸紡ぎや綿繰りなどの体験を行いました。少人数なので糸紡ぎ体験もたっぷり時間をかけ、研究会で織った帯反物や様々なデザインの布を見ていただきながら、お一人お一人とゆっくり対話もでき、とても充実した和やかな時間でした。皆さんに小倉織のイメージを聞くと「袴」とおっしゃった方がいらっしゃいました。また、この講座で何に一番関心があったのかの問いには「小倉織について知りたい」「小倉織らしいものを織ってみたい」というのが皆さんのお答えでした。3回の講座で、小倉織に対する印象がどのように変化していくのか、小倉織らしさとは??そんなお話をするのも楽しみです。皆さんに満足していただける講座となりますよう研究会一同がんばります。次回は11月24日 講義と真田紐のデザインです。少ない色使いでも多色使いでも自由にデザインしていただき、たくさんの驚きと発見に出会えますように。 (T子)

出張講座 小倉織~歴史と特徴~ 北九州プロバスクラブ in スチールハウス

2022.10.18

10月18日(火)13時~14時まで北九州プロバスクラブの10月例会で出張講座を行いました。北九州プロバスクラブは、様々な職業で活躍された方々で構成され、その経験を生かして社会への貢献や仲間づくりなど楽しいシニアライフを目指して活動されていらっしゃる団体です。2017年に行ったイベントに会員の方が参加されたことがご縁で今回の講座が実現しました。実演用の糸車や綿繰り機のセッティングをしていた時、早めに会場に来られた何人かの方から「綿はどこで栽培しているの?綿の種を植える時期は?種をいただいてもよろしいですか?」など早速、興味を持ってたくさんお尋ね頂きました。大和代表の講話が始まり、日本における綿織物の普及、他の綿織物との違いなど小倉織の歴史や特徴の話へと進むと、皆さん資料にメモを取ったり熱心に聞き入っていました。最後に今後の活動として、小倉城庭園で11月から始まる豊前小倉織伝承会の活動や小倉織の歴史を踏まえた常設展、11月の小倉織協同組合の企画展示などもご案内しました。質疑応答では、小倉織の商品としてのマーケット規模など、企業にかかわられていた方々ならではのお尋ねもあり、時間ギリギリまでとても充実した中で講座が終了しました。 会長様からは「初めてしっかり小倉織というものがわかった気がします。次回は続き講座としてワークショップのような参加型のものができれば良いと思います。」というお言葉をいただきました。次回はぜひ小倉城庭園でいかがですか?(^^) ************************************* 会員の皆さんの平均年齢は70歳と伺っていましたが、好奇心とエネルギーにあふれる素敵な方々でした。(T子)

第一回北九州市立市丸小学校総合学習「小倉織」

2022.10.14

10月14日(金) 北九州市小倉南区にある、市丸小学校5年生の総合学習の時間に、ゲストティーチャーとして参加してきました。 5年生は春から、郷土の文化である小倉織について学んでいます。綿を自分たちで栽培し、織ってコースターを作る事が目標です。秋になり綿もたくさん収穫できました。 でも、コースターになるまでには、いくつか工程を重ねないといけません。まずは綿の繊維と種を分けますが、これは前もって子ども達が終わらせていました。自作の綿繰り機(種と繊維を分ける道具)も開発されていて感心しました。ついに1番難関な糸づくりに入ります。ここからは研究会指導のもと、繊維をほぐす”綿うち”を、ハンドカーダーという道具でおこないます。ほぐれたら、きりたんぽのような形の”じんき”を作り、糸車を使ってじんきにヨリをかけて引き出し糸にしていきます。綿うち→じんき→糸紡ぎに子ども達も挑戦しました。 お手本をしっかり観察、やってみる、質問する、またやってみる。仲間と相談して良い方法を探る。やってみる。その積み重ねで工夫が生まれ、どんどん糸が紡がれていました。強弱のある個性豊かな糸ができましたが、子ども達の夢中が伝わる素敵な糸になりました。素晴らしいです。さらに先生方も子ども達に負けないくらい、綿を楽しく学ばれている姿にも心打たれました。 良い授業に参加させていただけて、ありがとうございました。(わた子)

到津市民センター みんなの学びの場〜そよ風塾 「小倉織を学び織ってみよう」

2022.10.13

9月30日(金)10:00〜12:00 到津市民センターで小倉織の出張講座を行いました。爽やかな秋晴れの中、14名の幅広い年代の女性の方々に参加いただきました。前半は、小倉織の布や袴、綿の実がなった枝などの実物と、スライドの資料をお見せしながら、小倉織がたどってきた歴史や特徴についてお話ししました。また、綿繰り・弓打ち・糸紡ぎの実演と、草木染について詳しくご紹介して、綿の実から美しい糸ができるまでの工程を知っていただきました。後半は、いよいよ小さな織り機「mini小倉」での織り体験です。お好きなデザインのmini小倉と糸のセットを選んで、机と腰に結びつけ、色とりどりのたて糸をぴんと張ると、小さな機が出来上がります。mini小倉の上げ下げや、よこ糸の引き締め方に悩んだりしながら、徐々にコツをつかみ、皆さんそれぞれの真田紐を楽しく真剣に一段一段織り進めていらっしゃいました。織り上がった真田紐は、金具とチャームを取り付けて可愛いストラップになって、皆さんにお持ち帰りいただきました。ストラップの写真を撮り忘れたことが残念です。「また織り体験をしたい。」「糸紡ぎをもっとしてみたい。」などの有難いお声もたくさんいただき、とても嬉しく思いました。皆さんありがとうございます。(こめ)
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