活動報告

豊前小倉織研究会は、①小倉織の調査と研究 ②小倉織の制作 ③小倉織を広く伝える、の3つを柱にして活動しています。

朝日カルチャーセンター北九州 小倉織を実践第2回

2022.11.24

11月24日(木) 朝日カルチャーセンター北九州において 小倉織講座全3回のうちの第2回目が行われました。前半は小倉織の特徴や天然の繊維から出来る糸にはどんな種類があるのか、昔の人はどのような素材で織られた服を着ていたのか等、繭、真綿、苧麻・大麻の繊維などを実際に見ながら学んでいきました。そして後半は、いよいよ真田紐のデザインです。約1時間、今回真田紐を織るのに使う22色の草木染の糸を見ながらど、デザインシートに色を塗っていきます。ポップな縞、カッコいい縞、可愛い縞など、小倉織の特徴であるグラデーションを活かしながら考えるのも楽しみの一つです。そしてお一人お一人の思いのこもったデザインが出来上がりました。次回は、いよいよ織の実技です。ご自分のデザインからどんな真田紐か出来るのかとても楽しみです。

第二回市丸小学校小倉織授業-糸を染める-

2022.11.18

11月18日(金)北九州市立市丸小学校にて、第2回目の総合学習授業が行われました。前回10月14日(金)の授業で子供達が育てた綿が糸となり、その糸を今回、藍色に染める体験を行いました。初めての藍染!藍の液に糸を浸けてゆらゆらしながら色の変化を観察します。「あっ!緑になった」元気な声が飛び交います。2分間糸をゆらした後、絞って空気に触れさせると糸が藍色に変化していきました。「藍色になった!」と、ビックリした様子。素直な表情に微笑ましく感じました。藍染めが終わると、いよいよコースターのデザインです。大和先生が小倉織の特徴である縞の説明をした後、デザインシートに色えんぴつで縞をデザインしていきます。驚いたのは、子供たちのデザインを仕上げる早さです。あっという間に縞のデザインが終わりました。みんな、大和先生のお話をしっかり理解していて感心しました。予想外の早さに時間が余ったので質問コーナーがスタート。赤は何で染めますか?「あかねー!」。ピンクはサボテンにつくカイガラムシで染めますが食品にもよく使われています、何に使われていると思いますか?ここは先生が「かまぼこ!」と答えて、子供たちは「へ~ぇ」と。等々みんなの好奇心が授業を盛り上げてくれました。さて、しっかり藍色に_染まった糸は、次回コースターを織るよこ糸となって織りこまれていきます。世界に一つだけのコースター。どんなコースターが出来るのでしょう。とても楽しみです。(ゆう。)

市丸小学校-番外編-

2022.11.01

市丸小学校で総合学習のお手伝いをしています。自分たちが種を撒いて育てた綿から糸を作り、糸を染めて小倉織を織るという楽しい学習に私たちもワクワクしています。10月14日(金)に小学校で、収穫した綿をカードして、糸車で紡いで糸にしました。工房に持って帰り、糸を綛に巻きとり、精練をしました。精練とは、糸を洗剤で煮て、汚れやロウ分を除き、糸が染まりやすくする作業です。工房では、こともたちが初めて紡いだ表情豊かな糸が竿にぶら下がっています。いよいよ次の授業で紡いだ糸を藍染めします。お楽しみに。(kei)

朝日カルチャーセンター北九州 小倉織を実践 第1回

2022.10.27

10月27日(木)13時〜15時まで朝日カルチャーセンター北九州で全3回の講座の第1回目を行いました。3回の講座を通してワタが糸となり布となる過程を学び、草木染めの糸でマイデザインの真田紐を織ります。これまでも小学校や市民センター、工房見学や市民カレッジなど様々なワークショップや講座を行ってきましたが、カルチャーセンターでの講座は今回が初めてです。少し緊張しましたが、場所は変わってもお伝えすることはいつも通り変わりません。受講者は8名。第1回目は前半で小倉織の歴史や特徴、制作の過程などを冊子を見ながら学び、後半は糸紡ぎや綿繰りなどの体験を行いました。少人数なので糸紡ぎ体験もたっぷり時間をかけ、研究会で織った帯反物や様々なデザインの布を見ていただきながら、お一人お一人とゆっくり対話もでき、とても充実した和やかな時間でした。皆さんに小倉織のイメージを聞くと「袴」とおっしゃった方がいらっしゃいました。また、この講座で何に一番関心があったのかの問いには「小倉織について知りたい」「小倉織らしいものを織ってみたい」というのが皆さんのお答えでした。3回の講座で、小倉織に対する印象がどのように変化していくのか、小倉織らしさとは??そんなお話をするのも楽しみです。皆さんに満足していただける講座となりますよう研究会一同がんばります。次回は11月24日 講義と真田紐のデザインです。少ない色使いでも多色使いでも自由にデザインしていただき、たくさんの驚きと発見に出会えますように。 (T子)

出張講座 小倉織~歴史と特徴~ 北九州プロバスクラブ in スチールハウス

2022.10.18

10月18日(火)13時~14時まで北九州プロバスクラブの10月例会で出張講座を行いました。北九州プロバスクラブは、様々な職業で活躍された方々で構成され、その経験を生かして社会への貢献や仲間づくりなど楽しいシニアライフを目指して活動されていらっしゃる団体です。2017年に行ったイベントに会員の方が参加されたことがご縁で今回の講座が実現しました。実演用の糸車や綿繰り機のセッティングをしていた時、早めに会場に来られた何人かの方から「綿はどこで栽培しているの?綿の種を植える時期は?種をいただいてもよろしいですか?」など早速、興味を持ってたくさんお尋ね頂きました。大和代表の講話が始まり、日本における綿織物の普及、他の綿織物との違いなど小倉織の歴史や特徴の話へと進むと、皆さん資料にメモを取ったり熱心に聞き入っていました。最後に今後の活動として、小倉城庭園で11月から始まる豊前小倉織伝承会の活動や小倉織の歴史を踏まえた常設展、11月の小倉織協同組合の企画展示などもご案内しました。質疑応答では、小倉織の商品としてのマーケット規模など、企業にかかわられていた方々ならではのお尋ねもあり、時間ギリギリまでとても充実した中で講座が終了しました。 会長様からは「初めてしっかり小倉織というものがわかった気がします。次回は続き講座としてワークショップのような参加型のものができれば良いと思います。」というお言葉をいただきました。次回はぜひ小倉城庭園でいかがですか?(^^) ************************************* 会員の皆さんの平均年齢は70歳と伺っていましたが、好奇心とエネルギーにあふれる素敵な方々でした。(T子)

第一回北九州市立市丸小学校総合学習「小倉織」

2022.10.14

10月14日(金) 北九州市小倉南区にある、市丸小学校5年生の総合学習の時間に、ゲストティーチャーとして参加してきました。 5年生は春から、郷土の文化である小倉織について学んでいます。綿を自分たちで栽培し、織ってコースターを作る事が目標です。秋になり綿もたくさん収穫できました。 でも、コースターになるまでには、いくつか工程を重ねないといけません。まずは綿の繊維と種を分けますが、これは前もって子ども達が終わらせていました。自作の綿繰り機(種と繊維を分ける道具)も開発されていて感心しました。ついに1番難関な糸づくりに入ります。ここからは研究会指導のもと、繊維をほぐす”綿うち”を、ハンドカーダーという道具でおこないます。ほぐれたら、きりたんぽのような形の”じんき”を作り、糸車を使ってじんきにヨリをかけて引き出し糸にしていきます。綿うち→じんき→糸紡ぎに子ども達も挑戦しました。 お手本をしっかり観察、やってみる、質問する、またやってみる。仲間と相談して良い方法を探る。やってみる。その積み重ねで工夫が生まれ、どんどん糸が紡がれていました。強弱のある個性豊かな糸ができましたが、子ども達の夢中が伝わる素敵な糸になりました。素晴らしいです。さらに先生方も子ども達に負けないくらい、綿を楽しく学ばれている姿にも心打たれました。 良い授業に参加させていただけて、ありがとうございました。(わた子)

到津市民センター みんなの学びの場〜そよ風塾 「小倉織を学び織ってみよう」

2022.10.13

9月30日(金)10:00〜12:00 到津市民センターで小倉織の出張講座を行いました。爽やかな秋晴れの中、14名の幅広い年代の女性の方々に参加いただきました。前半は、小倉織の布や袴、綿の実がなった枝などの実物と、スライドの資料をお見せしながら、小倉織がたどってきた歴史や特徴についてお話ししました。また、綿繰り・弓打ち・糸紡ぎの実演と、草木染について詳しくご紹介して、綿の実から美しい糸ができるまでの工程を知っていただきました。後半は、いよいよ小さな織り機「mini小倉」での織り体験です。お好きなデザインのmini小倉と糸のセットを選んで、机と腰に結びつけ、色とりどりのたて糸をぴんと張ると、小さな機が出来上がります。mini小倉の上げ下げや、よこ糸の引き締め方に悩んだりしながら、徐々にコツをつかみ、皆さんそれぞれの真田紐を楽しく真剣に一段一段織り進めていらっしゃいました。織り上がった真田紐は、金具とチャームを取り付けて可愛いストラップになって、皆さんにお持ち帰りいただきました。ストラップの写真を撮り忘れたことが残念です。「また織り体験をしたい。」「糸紡ぎをもっとしてみたい。」などの有難いお声もたくさんいただき、とても嬉しく思いました。皆さんありがとうございます。(こめ)

奈良国立博物館 番外編

2022.08.23

奈良は連日の快晴。盆地特有なのか、九州とはまた違った暑さを感じながら過ごした3日間でした。とはいえ澄んだ空に白い雲、置物のように動かない鹿達。とてもゆったりした空気が流れていました。この風景は遠い昔、中将姫達が生きた奈良時代も変わらなかったのではないかと想像が膨らみます。博物館ではギュッと詰まった素晴らしい時間を過ごさせていただきました。新たな知識を得たり、出会いがある度に、わくわくする発見や感動があります。* * * * * ワークショップ会場では学芸員の方の手作り折り紙。かわいらしい蓮の花が本物の葉の上に飾られていました。ホテルではスタッフの方からも折り紙の鹿をいただきました。ちょっと上がったお尻がポイントですね(^-^) 奈良の鹿は北九州で早速小倉織の上で走らせてみました。ステキ! (T子)

「中将姫と當麻曼荼羅―祈りが紡ぐ物語」奈良国立博物館で蓮の糸のコースターを織る、ワークショップをしました!

2022.08.13

今から1300年も昔の話。貴族の娘として奈良に生まれた中将姫は幾多の苦難を味わった末に、仏さまにお仕えすることなり、写経に励みます。ある日、阿弥陀如来と観音菩薩の化身が現れ、中将姫が引き出した蓮の糸で一晩にしして「當麻曼荼羅」を織りあげて、中将姫に極楽の姿を示したと言われています。當麻曼荼羅は、蓮の糸ではなく絹糸の綴織によって織られていることが、後に確認されていますが、その後途切れることなく中将姫信仰は広がり、たくさんの絵画による當麻曼荼羅が制作されています。今回の特別展は江戸時代貞享年間に作られた「貞享本當麻曼荼羅」の修理完成記念特別展です。特別展会場に北九州の広寿山福聚寺所蔵の「藕糸織阿弥陀三尊来迎図」「藕糸織霊山浄土図」「藕糸織阿弥陀聖衆来迎図」の3幅が展示されています。この3つは17世紀に小倉藩主小笠原忠真の側室永貞院が忠真の菩提を弔うために織らせたものだと言われていますが、日本で確認されている最古の藕糸織物です。 ************************************* 一昨年より、3幅の藕糸織軸の糸や織の科学的調査研究をしている北九州市立自然史・歴史博物館に協力して、蓮の葉柄から糸を引いたり、試織を繰り返してきました。 ミャンマーなど東南アジアの国では、仏教に関わる人々の袈裟などとして馴染みのある藕糸(ぐうし)による織物ですが、日本では蓮から糸が取れること自体、あまり広くは知られていないと思います。今回は、唐招提寺様のご協力で蓮の茎を提供していただき、茎から糸を引き出す体験をしました。また、あらかじめミャンマーから購入していた藕糸を使って、コースターを織る体験をしていただきました。*蓮の茎に切り目を入れて、ポキッと折り、両方に引っ張ると、細い細い繊維が無数に出てきます。台の上で、出てきた繊維を手で擦るようにしてくっつけていくと、次第に長い糸となります。とても、不思議な感覚で、参加された皆様にも感激していただけたようです。*コースターは経糸に麻を使いました。いつもは小倉織真田紐作りに活躍する「mini小倉」の織機が、今回は藕糸織コースターで活躍しました。*緯糸はミャンマー産の藕糸を織り込みました。ご自分のデザインで小倉織の紡ぎ糸を挟んでいただき、色どりを添えました。*見かけは麻に近いのですが、どこか柔らかく独特の蓮の糸の感触を感じていただけたでしょうか。午前、午後合わせて21名のみなさまにご参加いたきました。*夢中で織っておられる姿を拝見して、準備した私たちも嬉しい気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。 ************************************* 鹿たちも木陰でひっそりと涼んでいる暑い奈良で、當麻曼荼羅鑑賞、藕糸織ワークショップ、専門家の方からの織についてのアドバイスをいただく、などなど盛りだくさんの実りの多い時を過ごさせて頂きました。(kei)

北九州市民カレッジ「小倉織を学び、織ってみよう」講師より

2022.07.24

2年間開催できなかった「小倉織を学び、織ってみよう-5回連続公講座」を今年は無事に開催することが出来ました。小倉織に関心を持ってくださっているたくさんの方々がこの講座に応募してくださるのですが、織り、染めなどの実技を行う関係上受け容れる人数が限られていて、ご希望に添えないことがあり、大変申し訳なく思っています。◆この講座では、小倉織はいつ頃生まれ、どのような用途に使われたのかという歴史を辿ります。◆また、原料となるワタからどのように糸を作り、染め、織って布になるのか、小倉織のできる過程を学びます。◆日本全国にたくさんある木綿織物と小倉織は何が違うのか、といった特徴などをお話しして、小倉織についてて多くを知っていただけるよう講義をします。 ◆講義とともに、綿が糸になり、機織り機で織って布になる過程を知っていただきたく、紡ぎと織の体験の時間を作っています。 また、◆「mini小倉を使って自分でデザインした真田紐を織る」という体験が組み込まれています。まず糸を藍、玉ねぎ、茜などの植物で染めます。染めた糸を使って30本の経糸で織る真田紐をデザインします。そして、小さな腰機を使った織へと進みます。 プログラムは8年間講座を重ねていくうちに少しずつ変わってきました。自分でデザインするのは難しい作業ですが、色を並べ、悩み、考え抜いて作ったデザインが実際に真田紐になると愛着が湧いてきます。講師の側も、デザインの段階で出来上がりのイメージを掴めるように工夫を重ねました。◆内容が盛りだくさんの講座を実現するには非常に多くの準備が必要になります。主催の生涯学習総合センター、会場や道具の提供を頂いているいのちのたび博物館、市民カレッジの卒業生によって組織されている伝承会会員などなど、多くの皆様の力によって支えられてこの講座は成り立っています。 ◆木綿が日本に伝わって間もないころに、私たちが暮らす北九州になぜこのような丈夫な木綿織物が生まれたのか?誰によってどこから伝えられたのか?まだまだ謎の部分がたくさんありますが、分からないことを明らかにしながら、すばらしい故郷の伝統文化を未来に伝えていきたいと思います。また、「布」との関わり合いによって、日常の生活が少しでも豊かなものになることを願っています。◆カレッジ生がデザインした真田紐にはそれぞれの思いが籠っています。(kei)
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