活動報告

豊前小倉織研究会は、①小倉織の調査と研究 ②小倉織の制作 ③小倉織を広く伝える、の3つを柱にして活動しています。

北九州市民カレッジ「小倉織を学び、織ってみよう!」第3回

2023.06.30

6月30日(金)市民カレッジの小倉織講座第3回目が開催されました。当日は朝から強い雨が降る中、多くの方にご参加いただき、ありがとうございました。会場の講座室には研究会の帯のサンプルと真田紐を展示して見て頂きました。前半の講義では、小倉織の縞の特徴を学びました。リネンルーペを使って小倉織と手ぬぐい布を見比べ密度を確認したり、織物摩耗試験での試験結果をグラフで見て確認したりして、小倉織の丈夫さをわかっていただけたと思います。また、小倉織の特徴の一つである双糸について「S撚り」「Z撚り」を拡大模型で説明しました。後半の実技では、始めに染色データ表を作成。前回の講座で染めた糸を含む18色を、各自で貼って完成です。続いて、自分で織る真田紐のデザインを考えます。まずは、作成方法をサンプルを見ながら学びました。デザインをする時に使うハニカム状の表と、整経する時に使う表の2種類を説明。初めて見る表に戸惑う方もいらっしゃいましたが、指導担当がたくさんいたので、質問を受け対応できたと思います。同時進行で、別室では糸紡ぎと機織の体験もして頂きました。私は機織担当でしたが、2回目の体験とあって皆さん上手に織られていました。しかしながら、やはり糸紡ぎは難しかったようで、思うように紡げなかった方が織り機に座って織りながら「こっちは安心する」とおっしゃって下さいました。いよいよ次回は、自分がデザインした真田紐を整経して織る作業です。どうぞ、お楽しみに。お待ち致しております。(Y子)

藍建てをしました

2023.06.13

 6月。工房では、藍建て をはじめます。藍建て とは、藍草を発酵させた「蒅(すくも)」を微生物の力を借りて発酵させ、藍染の染液をつくること。まずは「蒅」に石灰をまぜ、予め木灰に熱湯を注いでつくておいた上澄みの灰汁(あく)を加えてよく練り、団子状に丸めて藍甕(あいがめ)に入れていきます。そこにタンクの6分目の量になるまで灰汁を足して撹拌。初日の作業は ここで終わりですが、かなりの重労働です。 これから毎日撹拌したり、栄養源である お酒を入れたり、pHの管理などをして 上手く発酵するまで育てていきます。 なんとも手間のかかる作業!それだけに、他の染料とは違い、より愛おしく感じてしまう藍。いや、思わず親しみを込めて「藍さん」と、お呼びしたくなります。頑張って上手く発酵しておくれ〜 きれいな藍色を出しておくれよ〜と、祈る気持ちを込めて 藍建てをしました。こうして小倉織に昔から使われている藍色は、つくられていきます。発酵の様子は、また後日。がんばれー 藍さん!(mi

2023年度北九州市民カレッジ第2回 「天然繊維に触れる、染めについて学ぶ」

2023.06.09

6月9日(金)第2回目の市民カレッジが行われました。始めに講義室で、麻・絹・ウール・木綿の特徴や歴史について実物の繊維と原料を見ながら知っていただき、昔から小倉織に多く使われてきた藍による染色手順、その他のさまざまな染料について学びました。その後、実習室へ移動していよいよ糸の染色です!今回は班に別れて、濃い藍、淡い藍、中くらいの藍、濃い茜、薄い茜、黄色、緑色に木綿糸を染めていきます。黄色は玉ねぎの皮で、緑色は予め藍に染めた糸に玉ねぎの黄色を重ねて染色します。受講生の皆さんの手で丁寧に何度も染液の中で糸を繰って染めたあと、水洗いをくり返して、とても美しい7色の糸が染め上がりました。染料によってそれぞれ工程が違うので、空いている時間には他の班が染色しているところを見学しました。藍の中に浸かっている時には黄緑がかっていた糸が絞って空気に晒されるとサッと青色に変化する様子、茜や玉ねぎを煮出した染液で糸が染まっていったり媒染で色が変化したりする様子には驚きの声が上がり、皆さん和気藹々とした雰囲気の中でで染めを楽しまれていました。暑い中お疲れさまでした!次回は「小倉織の縞の特徴を学ぶ」です。実技では今回染めていただいた糸と研究会で染めた糸を合わせた18色を使って、オリジナルの真田紐のデザインをします。(こめ)

2023年度北九州市民カレッジ 小倉織を学び、織ってみよう(全5回)開講!

2023.05.26

5月26日(金)に「市民カレッジ~小倉織を学び、織ってみよう~(全5回)」が始まりました。今年も抽選で選ばれた20名の受講生の皆さんと「小倉織の歴史、紡ぎや機織り、染色、縞のマイデザイン、mini小倉で真田紐を織る」と超充実した内容を勉強していきます。さて、第1回前半の講義は、大和代表による小倉織の歴史です。皆さん真剣なまなざしで小倉織冊子を見ながら、メモを取るなど熱心に聞かれていました。後半の実技は、2人1組になっていただき、6台の紡ぎ車、2台の高機と綿繰り機を使って体験をしてもらいました。綿から糸を紡ぐ作業はコツをつかむのがなかなか難しく、皆さん結構苦戦していました。一方で機織りはほんの少しのアドバイスでスグに上手に織っていました。素晴らしいです! 綿繰り・弓打ちは、綿と種が離れていく様子がスムーズで、糸紡ぎと機織りで緊張していた分、気持ちがリラックスしてホッとする時間だったようです(笑)。今年で9回目を迎えた市民カレッジですが、スタッフ陣がとても充実しています。実技の場面で皆さんをサポートしているのは、私達の他に豊前小倉織伝承会のメンバーです。市民カレッジを卒業した受講生の中で興味を持った人たちが伝承会員となり、活動を続けています。受講生の皆さんも伝承会のメンバーに気軽に声をかけてくださると嬉しいです。次回6月9日(金)は「天然繊維に触れる、染めについて学ぶ」です。染色タイムをお楽しみに!(T子) *****豊前小倉織伝承会は豊前小倉織研究会に所属し、伝承部門を担っています。***

初めての講座シリーズ「小倉織を知ろう!織ってみよう!」№3

2023.05.13

3月26日に第3回目の講座が開催されました。最終回は実技です。小倉織伝承会が中心となって進められ、4名の方にご参加いただきました。前回の講座で、各自デザインしてミニ小倉に糸をセットした真田紐を織っていきます。前回お休みされた方には、こちらで用意した中からお好みのデザインを選んで頂きました。皆さんとても集中して織り進められ、、講師も驚くほどキレイな仕上がりに。織り上がった真田紐は、キーホルダーに加工してお渡ししました。続いて、前の講座で高機で織った布を使って、栞作りを体験していただきました。初めて扱うロールカッターで、2cm✕10cmの布を慎重に切断。オリジナルの台紙に貼って、小倉織用の糸で撚った紐を取り付けて完成です。1時間以上集中して織られてご満足頂いたのか、糸車やコースター織りの体験も準備していましたが、少し早目の閉会となりました。この度は、小倉城庭園という由緒ある場所で、小倉織を伝える機会を頂き大変光栄でした。ご参加頂いた皆様が、末永く小倉織に興味を持ってくださることを願っております。(Y子)

初めての講座シリーズ「小倉織を知ろう!織ってみよう!」№2

2023.03.19

3月19日、先週にひき続き第2回講座を開催いたしました。当日、小倉城庭園では花見茶会が催されており、展示室にて伝承会が復元した小倉織の反物とミニ袴、歴代藩主の書などに囲まれて、3名様での講座となりました。講義では、小倉織の「織り」と「糸」の特徴、さまざまな糸や布とその原料について学び、実際に素材や織り方の異なる布をルーペで見較べたり、蚕の入った繭、繭を広げたフワフワの真綿、大麻・苧麻、モコモコした羊毛などの素材もじっくり見て触っていただきました。布の織り方の違いや、素材の手触り・暖かさなどを新鮮な驚きとともにたっぷりと感じていらっしゃる様子でした。後半の実技では、真田紐のデザインサンプルを元にお好みの色彩でデザインを決め、26本の経糸を順番通りに並べて、小さな腰機のmini小倉に通します。お好みの色にアレンジしたデザインを丁寧に色鉛筆で描いた後は、色とりどりの経糸を美しく並べてスイスイと通していき、緯糸も選んで網針(あばり)に巻いて、予定よりも早く真田紐を織る準備ができあがりました!真田紐のデザインやmini小倉の準備と同時に、交替で高機での織り体験も行いました。こちらの高機で織った布は次回の講座でしおりにしていただく予定です。講義から実技、最後の質問コーナーまで、皆さんから小倉織への熱い思いと楽しい!という気持ちが終始伝わってきました。すてきな真田紐が織り上がるのがとても楽しみです♪(こめ)

初めての講座シリーズ「小倉織を知ろう!織ってみよう!」№1

2023.03.12

2023年3月12日小倉城庭園にて第一回目の講座が開催されました。6名の方が参加し小倉織について学ばれました。初めに常設展示場で展示物を見ながら和綿の栽培から帯が出来るまでの説明と、小倉織伝承会のメンバーによって復元された袴の展示物を見て、小倉織の歴史を感じて頂きました。その後、講座室へ移動。パワーポイントで今日までの研究の成果を年表を通して学んでいきました。歴史上の人物も出てきて「そうなんだ!」と益々小倉織に関心を持たれたようでした。続いて実物の種がついている綿を手にし、種を取ることがとても大変なことを感じていただきました。昔ながらの綿繰り機を使うと簡単に綿と種に分けられるため、そのことを思うと、昔の人の知恵に感心します。その綿を弓で弾いてふわふわにし、出来た綿は筒状に整えた「じんき」になり、その「じんき」を使って糸車で糸を紡いでいきます。説明が終わると、いよいよ体験です!皆さん、糸車は初めてで糸が太くなったり、切れてしまったりとなかなか上手くはいきませんでしたが、初めて回す糸車をとても楽しんでおられるようでした。小倉織の歴史や小倉織がどのような工程を経て作られているかを学び、人の手が持つ技が受け継がれていくことの大切さを感じていただけたのではないかと思います。(Yuu。)

八幡中央高校3回講座Ⅲ「マイデザインの真田紐を織ろう!」

2023.03.01

■第3回■3月1日(水)15:00〜小倉城庭園において、八幡中央高校園芸部・物理部の3回目の講座をおこないました。あいにくの雨でしたが、卒業式を終えたばかりの部活の3年生も参加し、賑やかな始まりでした。 前回までに準備したマイ縞デザインの糸を、mini小倉(綜絖・筬を兼ね備えた道具)に糸を通す所から始めました。糸を通す穴は小さいですが、羨ましいスピードで糸通しを終えました。そして、研究会と伝承会スタッフの指導のもと、デザイン通り並んだ経糸を机に付けたCクランプと腰に結んだ紐の間にセッティングし、織り出していきました。 真田紐は丈夫な紐です。緯糸の締め具合と織り重ねる密度がギュッ!としています。最初はその力加減と織り方で戸惑いもありましたが、すぐ慣れて後は自分との旅路といった感じで、黙々と瞬きも少なく、凄い集中力で織り上げていきました。引率の先生お2人も同じ作業をされて、楽しそうな様子でした。夢中になる時間はみんな同じですね。合間に別室へ行き高機を使い、第1・2回で紡いで染めた糸を織り込み布にして行きました。この布は最後はカットして栞になり、織り上がった真田紐はストラップもしくはキーホルダーになりました。 栞と真田紐の完成で、自分たちで育てた綿を布にするという、一大事業を成し遂げました。素晴らしいです!ファンタスティックです!! 今回の体験がこれからの人生で、何かはわからないけれど一役になればありがたいです。皆さまお疲れ様でした♬(わた子)

若松観光案内ボランティア 〜小倉城庭園にて〜

2023.02.14

若松観光案内ボランティア  〜小倉城庭園にて〜 2023.2.14(火) 10:00~12:00小倉城庭園にて、若松観光案内ボランティアのメンバー16名をお迎えして小倉織講座を行いました。 まず、展示室に常設展示している「綿がどのような工程を経て小倉織になるのか」という展示を見て頂きました。その場で機織りを2名の方が体験されました。その後、講義室に移動し、小倉織の栄枯盛衰の過程と二度も生産が途絶えながらも甦って再び生産されるようになった歴史や小倉織は平織の木綿織物で、縞柄はグラデーションを含んでいるといった特徴を学びました。参加されたみな様が集中して熱心に聞いてくださっている姿がとても印象的でした。また、綿から種を外す綿繰りの作業と糸紡ぎを、希望される方に体験していただきました。糸車を使っての糸紡ぎは右手と左手の動きが違うので難しく感じられた様ですが、とても楽しんでいただけた様子でした。今後、観光案内ボランティアとして市内の観光案内をされる際、郷土の誇りである小倉織を説明して頂き、より多くの方々に小倉織の歴史や特徴を知っていただくきっかけとなったらとても嬉しく思います。(Yuu。)

八幡中央高校3回講座Ⅱ「糸を藍染めしよう!」「真田紐をデザインしよう!」

2023.01.28

■第2回■2023年1月28日㈯ 小倉北区中津口にある豊前小倉織研究会の工房で、八幡中央高校の園芸部と物理部の生徒さん6名と顧問の先生2名、計8名が参加して第二回目の講座が行われました。今回は、前回生徒さんたちが糸車で紡いだ糸を藍色に染めました。糸をインド藍液に浸してゆっくりゆらゆらと揺らします。浸している糸は緑色になりました。藍なのに緑色?と、不思議そうな生徒さんたちでしたが2分後糸を絞り空気に触れさせるために両手にかけてパンパン!するとあっという間に藍色に変化しました。生徒さんたちも先生も変化にビックリ!その後水がキレイになるまで濯いだら出来上がりです。この糸は、次回高機で織るコースターの緯糸として織り込まれていきます。とても楽しみです。続いて真田紐のデザインを考えました。小倉織の縞の特徴であるグラデーションの話を聞いた後、先生方も参加して、いよいよデザインシートに描きこんでいきます。黙々とアイディアを描いてみたり、相談しながら考えたりと、全員楽しそうにデザイン作業を進め、素敵なマイデザインが出来上がりました。そして、各自デザインした色の糸を順に並べ真田紐を織る時に使用する「ミニ小倉」に糸を通して、次回織るための準備をし第二回目の講座は終わりました。今回は、染めとデザインを通して小倉織がどのようにして出来ていくのかという過程を体験しました。第三回目の完成に向けて楽しみにしている様子をとてもうれしく思いました。(Yuu。)
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